シンイのお伽噺

ドラマのシンイの最終回のその後のお話です

日常生活5

市場はとっても賑わっていた。


隣にヨンが居て、後ろにトルベ達が護衛として歩いている。少し前にはテマンがいてオススメの店などをウンスに話しながら歩いている。

もちろんウンスとヨンの手は恋人繋ぎで。


医、医仙様、あちらに反物屋があります。

あそこが、1番いいです。


あら、テマンありがとう。ヨン、一緒に選んでね。


分かりました。

トルベ達は表で警護しろ!

テマンは一緒に来い!


イエ、大護軍!


いらっしゃい。これは、大護軍様ではございませんか!

ん?こちらの方は?もしかして医仙様?


店主。今日はこの方の衣が欲しい。見繕ってくれないか?あと、翡翠のノリゲが欲しい。


はい。直ぐにお持ち致します。

医仙様は、お好きな色などございますか?


それまで、ヨンの背に隠れていたウンスだがヨンの肩口から顔だけ出して答えた。


ふふっ。ありがとうございます。

この人と同じような碧色、小菊の刺繍がしてあるのはあるかしら?


少々お待ち下さい。


店主が店の奥に行ったのは確認すると、ヨンはウンスに聞いた。


どうしたのですか?何かありましたか?


ヨンと繋いでいる手が微かに震えているのを直ぐに気付いて、握る力を少し強めた。


ん?なんでもないわよ。詳しい事は兵舎で話すけど、知らない人が怖くて。心を許している人はいいのだけれど。。


イムジャ。

さぁ、来ました!イムジャは何を来ても愛らしいので、虫除けが大変そうだ。


何を言っているのよ。私にはヨンだけよ!


お互いに笑いながら、衣を選んでいった。

ヨンが殆どの衣を選び、ウンスがとっても嬉しそうに着替えていた。ヨンとお揃いにも見えるチマチョゴリをウンスは着て帰ると言った。胸元には、牡丹と翡翠のノリゲを着けていた。


ヨン!見て見て!可愛い?


クルクルと回ってヨンに見せていた。

ヨンも、とっても優しい笑みを見せ、ウンスに手を差し出していた。


とっても似合っていますよ。イムジャ。

次は簪を買わねば。


ヨンの差し出した手を握り、ずっと笑顔でヨンにお礼を言っていた。

テマンもずっと笑顔で、簪を売っている店を頭の中で考えていた。

店の外で警護をしていたトルベ達、ウンスを見た瞬間に顔が真っ赤になり下を向いた。


あら?どうしたの?

ヨンを見て顔を可愛らしく首を捻った。


ふっ。イムジャがあまりにも可愛らしいので見られぬのですよ。

さぁ、行きましょ!まだまだ行きたい場所がありますゆえ。


えぇ。みんな行きましょ!


簪を売っている店では、ラピスラズリを使った簪や薔薇や様々な花の簪を買ってもらい、始終笑顔でいるウンスに、ヨンも笑顔でいた。そんなヨンを見てトルベ達も嬉しくなった。


なぁ、あんな大護軍、久しぶりに見た。

医仙様があんな事になって、悲しい顔しかしてなかったから。


トルベが言っている事は、ここにはいないウダルチ達全員が思っていた。特にウンスを知っている者達には、事の他来るものがあった。


ねぇ、ヨン。お腹空いたし、そろそろ疲れたわ


そうですね。休憩がてら昼飯にしましょう。

テマン!


イエ。この先にあります。


ヨン。ムンチフさんもいるんでしょ?

一緒に食べてはだめ?


いいですよ。イムジャに会いたいと、さっきから気配がするので。ですが師父だけではありません。ジホとシウルもいます。いいですか?


えぇ。私も会いたいもの!

ありがとう。ヨン!


そのやりとりを影ながら聞いていたムンチフ、ジホ、シウルは喜んでいた!しかもムンチフに至っては早くも会いたいと言わんばかりにヨンに殺気を送っていた。それを近くで見ていたジホにシウルは、ウンスに会いたいがムンチフに引いていた。


飯屋に着いて、ウンスを壁側に座らせて横にヨンが座り、ウンスの前にムンチフが座る。

テマンはメヒを警戒して店の外にいた。

ジホとシウルは、ムンチフの横に座った。

トルベ達は、横の机に座り警護した。


ムンチフさん、ジホ、シウル、会いたかったわ

ふふっ。ようやく会えた!


医仙、ヨンのもとに帰ってきてくれたこと感謝する。こやつは、貴方がいなければ生きていけぬと言っていた。医仙が命そのものだと。

ムンチフが涙ぐみながらウンスの手を握りながら話していた。

若干そんなムンチフに引きながらヨンは苦笑いをしていた。


医仙。俺たちも会いたかった!

それに、全然変わってないな。

マンボ兄妹たちも早く帰っとこいって

シウルが人懐っこい笑顔で言った。


ウンスは、泣き笑いをしながら喜んだ!

100年前に1人で居た時は、誰には弱さを見せず誰にも頼らずにいた。心を許す相手など1人もいなくて、何度も襲われ何度も裏切られた。

ヨンの元に帰る事だけを信じて、何とか心が壊れずにいたのだった。


師父、いつまでイムジャの手を握っているのですか?いい加減離してもらいたい!


我慢の限界だったヨンは、ムンチフとウンスの手を引き剥がしてウンスの手を自分と繋いだ。